META:MODERN NFTアート×仮想通貨  ノマド×ブログ 

モダニズムとは何なのか??。 絵画、建築、写真を引き合いにモダニズムの本質と特徴を説明。

ART

Basho
Basho
こんにちは。

 

初心者でNFTアート
を始めてから約10日間で
作品が売れたBashoです。

分かっているようで説明できないモダニズム

絵画、建築、写真、文学、あらゆる諸文化を語る上で、モダニズムの文脈をなしにその分野を深く語ることはできません。しかしモダニズムとは一体何だったのでしょうか??

良くモダニズムを説明する言葉にて、近代主義、純粋、 メディアムの処理、機能主義、合理主義、ユニバーサルデザインなどの様々なキーワードで語られますが実態の本質はつかみどころがなく簡単に説明することが難しいのが事実です。

まずはwikpediaの解説から見ていきましょう。

モダニズムは20世紀以降に起こった芸術運動、特に第一次世界大戦以後(戦間期)の1920年代を中心にした前衛的な動向を指す。従来の19世紀芸術に対して、伝統的な枠組にとらわれない表現を追求した。

引用:wikipedia

モダニズムは1920年代を中心にあらゆる文化で起こった現象であることは分かりましたが動向内容が抽象的で何を指しているかさっぱり理解できません。
最初にモダニズムの定義について示したいと思いますが、モダニズムを理解する上で一番ややこしくしているのが何を持ってモダニズムと定義するのかはっきりできないからではないでしょうか?。

20世紀アメリカの最大の美術批評家と目されているクレメントグリーンバーグもモダニズムの定義についてグリーンバーグ批評選集の中でこう記しています。

「モダニズム」という用語は古典主義やロマン主義と同じように、西洋の文化において一つの歴史的事実、エピソードを指す。しかし、「古典主義的な」、「ロマン主義的な」という形容詞には、いかなる時代であれその現象を特徴づけるために用いることのできる超歴史的な適用法があるが、「モダニズム的な」という語はそれらと同じようには自由に用いることができない。それはモダニズムが時に束縛されており、歴史的により特殊なものだからである。(1)

やはりモダニズムは歴史的に特殊なものであり他の様々な美術様式のように簡単に現象を特徴づけることができないようです。

しかしグリーンバーグはモダニズムの本質についても、こう語っています。

モダニズムの本質は、ある規律そのものを批判するために ── それを破壊するためにではなく、その権能の及ぶ領域内で、それをより強固に確立するために── その規律に独自の方法を用いることにある。⑵

まとめてみるとモダニズムとは、19世紀末から20世紀前半にかけて、文学、演劇、絵画、音楽、建築、映画、写真、などの諸芸術において分野において時期に差は少しありますが同時的に展開されました。特徴的な傾向として、その権能の及ぶ領域内で、それをより強固に確立するためにその規律に独自の方法を用いるであるとのことです。=こちらをグリーンバーグは自己批評性と呼んであります。

グリーンズバーグが指摘する自己批判性とは一体どういった現象なのか??絵画と建築と写真の三つの諸芸術をとりあげて、モダニズムの本質について考証していきましょう。

絵画のモダニズム

一般的にモダニズム絵画の初めはマネのオランピアに現れていると言われています。
それでは何故マネの絵がモダニズム絵画の起源なのか絵を見比べて自己批評性を引き合いに解説していきましょう。

モダニズム以前の絵画

最初のモダニズム絵画と呼ばれている作品

     出典:エドゥアール・マネ

こちら二つの絵画の違いから
考えてみましょう。

モダニズム以前のマネ以前の絵画では絵を現実の三次元に見せようと「陰影法」や「遠近法」等が使われて立体的に見えるように描かれていましたが、マネが描いた絵画はベタッと平面的です。

マネが描いたこの絵画では、「キャンバス」が平面であることを受け入れたからこそ、「絵の具」を平面的に塗っているということです。よって、このオランピアは絵画として「純粋」な手法を用いられて描かれているとの事です。マネ以前の絵画では「キャンバス」は平面であっても、その中に描かれるものは立体的に見せよう(キャンバスが平面であることを隠そう=不純)としていたこととは対照的なのです。

マネの絵画とモダニズムについてより詳しくはこちらを参考
【子どもでも分かる】モダニズムって何? – 未発育都市

簡単に説明

モダニズム以前の絵画

  • 絵が描かれる「キャンバス」は平面である。
    ⬇︎
    絵画は平面的だから現実世界を正確にキャンパス上に再現できるように立体的に見えるように書こう
    ⬇︎
    「陰影法」や「遠近法」の技法を用いて絵画を描く

モダニズムの絵画

  • 絵が描かれる「キャンバス」は平面である。
    ⬇︎
    絵画は二次元であるから無理に立体的な三次元に仕上げる必要性はない
    ⬇︎
    「キャンバス」や絵の具の持つ平面性という絵画の特性を受け入れる代わりに絵画でしかできない独自の表現性を追求する。=自己批判性

グリーンバーグの絵画のモダニズムについての説明

しかしながら、絵画芸術がモダニズムの下で自らを批判し限定づけていく過程で
── 平面性だけが、その芸術にとって独自のものであり独占的なものだったのである ──
平面性、二次元性は、絵画が他の芸術と分かち合っていない唯一の条件だったので、それゆえモダニズムの絵画は、
他には何もしなかったと言えるほど平面性へと向かったのである。⑶

この平面性を受け入れる事より印象派、ミニマリズム、と絵画はもっと自由に絵画独自の表現性を深めていくことになりました。この絵画がモダニズムにより平面性を追求する背景には三次元の表現が本質である彫刻や後に説明する写真術の誕生や深く関わっています。

次は建築のモダニズムについて考察していきましょう。

建築のモダニズム

モダニズム以前の建築

            出典:Art Nouveau in Riga

ルコルビジュエによる モダニズム建築

出典livedoor.blogimg.jp


建築はモダニズムが、最も分かりやすく顕著に視覚的に現れた分野であり、モダニズムによって建築は新しく生まれかわったとしても過言ではないでしょう。

グリーンバーグも建築のモダニズムについて以下のように語っています。

モダニズムは他にもまして伝統の委譲を目指している。ーただし遅れて始まったモダニズムの建築は例外と言えよう。ー
そしてモダニズムの建築は、伝統を委譲したというよりは、むしろ突如として新しい伝統を開始した。⑷

モダニズム以前の建築では過去の歴史的様式を深く理解し、時代によってゴシックやアールヌーヴォーなどあらゆる様式によって装飾がされているのに対しモダニズム建築については
良くも悪くも歴史的、文化的な背景・文脈を持たない空間作りが展開されるようになりました。
建築のモダニズムについては近代化が進み産業革命が起こり建築に新しい素材が使われる事になった事と大量消費社会と共に人々の生活が変わり建築が様式よりも人を中心に考えて作られるようになったのが要因でシンプルで機能的で空間性を重視した白い箱型の建物が多く作られるようになりました。

こうした建築は「普遍性」「国際性」を獲得し、

その渦は世界中に広がっていきました。


簡単に説明

  • 建築とは人が居住する空間でありそのためにはたして装飾は必要なのか??
    ⬇︎
    様式や装飾を用いた建物を作ることよりも人間が使いやすく生活しやすい空間を作り上げる事が建築の独自性を追求する事だ。=自己批評性
    ⬇︎
    建築の近代化が進み新しい素材が使えるようになり(ガラスやコンクリート)今までの様式を意識した作りよりも機能性を追求した建築を作った。

 


これがアイワ設計のCMでも語られるルコルビジュエの名言の
「家は生活の宝石箱でなくてはならない」
の意味にも通じるところでしょう。

さらに美術館の建築なども幅広く手掛ける、
現代芸術家の杉本博司氏もモダニズムについてこう語っています。

20世紀初頭に起こったモダニズムは、私たちの生活を大きく変えることになった。装飾から人間の魂が解放されたのだ。もはや神の気を引く必要もなく、王侯貴族の自己顕示も必要ではなくなったのだ。人間の力を遥かに上回る機械の助力も得ることが出来るようになって、人間は初めて形を作る自由を得たのだ。⑹

 

写真のモダニズム

写真のモダニズムといえば、誤解を恐れずにいえば、ストレートフォトグラフィ(写真の加工、演出を意識せずに現実そのままを写し取り再現する写真)の流れの中に見出されていきました。
写真については19世紀に誕生して以来、今現在においてもはたして写真は芸術と呼べるのか??。という議論が常にされていました。

19世紀から20世紀初頭の時期において写真はその芸術性を立証するために、アウトフォーカスやぼかしなどの技巧や被写体の配置を重視して、絵画的な作品を志向した写真(ピクトリアリズム)を追求していました。

しかし絵画が、立体性の再現を放棄して、絵画独自の表現を歩み始めたように、写真も絵画の真似をするのではなく、写真でしかできない表現に戻るべきであり写真(カメラ)本来の特性・独自の機能を重視し極力作家の主観を排除した客観的表現を重んじるその態度は写真のモダニズムであるといえるでしょう。

1-3 写真芸術の自律性にむけて
1920年代から30年代にかけてのアメリカ写真の革新運動を特長づける言葉に「純粋写真」あるいは「ストレートな写真」という表現がある。これらは、写真芸術の自律性へ向けた写真のルネサンス運動が高く掲げたモットーとなった。これらモットーの対観念となるのが「絵画的写真」ピクトリアリズムだった。一九世紀末から二十世紀初頭にかけて、国際的に盛り上げりをみせたこの芸術志向の写真運動では当時人気を博した印象主義絵画に範が求められ、そのために絵画的な効果を印画紙上に獲得するためさまざまな特殊技法や印画に手を加える技法も使われた。⑺

 

モダニズム以前の写真

出典:betterphotoglapy.in

エドワードウェストンによるモダニズム写真

出典:写真界のピューリタン  エドワード・ウェストン

写真のモダニズムの流れはストレートフォトグラフィを提唱した近代写真の父と呼ばれるアルフレッドスティーグリッツを継承しリアリズムを追究したエドワード・ウェストンやアンセル・アダムズを中心とするグループf/64が結成されさらに技術の進化とともにカメラが小型化されウォーカー・エヴァンスやロバートフランクなどの主観的要素を排除し、自然な写真を目指す形へと繋がりました。

簡単に説明

 モダニズム以前の写真

  • 写真を絵画と同じ芸術性を持っていることを証明したい。
    ⬇︎
    写真の芸術性を追求しようと、アウトフォーカスやぼかしなどの技巧を用い絵画と同じ芸術性を追求する。=ピクトリアリスム

写真のモダニズム

  • 写真は絵画と同じ芸術性を追求する必要があるのか
    ⬇︎
    絵画を模倣するような作品は写真の本来の姿ではない
    絵画に歩みよらずに写真の特性を
    最大限発揮できるような姿を目指すべき。
    ⬇︎
    写真でしかできない芸術性の追求とは
    現実世界をレンズの眼を通し瞬間的に切り取り明確な質感描写を印画紙に再現させることである。=自己批評性

まとめ

以上 絵画、建築、写真と三つのメディアを引き合いにモダニズムの本質について考察していきました。(こちらの記事ではモダニズムによる分野の変貌を文学、彫刻、音楽、哲学とさらに広げて考察を深め更新していく予定です)

これまで考察してきたようにモダニズムとはこの自己批評性の意味合いをしっかり捉えてないと
そのメディア(芸術)によって視覚的に進む形が違うため理解することが難しくなっていてグリーンバーグもその対象がモダニズムかどうかは芸術と一緒で直感によって判断されると記しています。

そしてグリーンズバーグは最初のモダニストは哲学者のカントにあると言及しています。

「私は、モダニズムを哲学者カントによってはじめられたこの自己‐批判的傾向の強化、いやほとんど激化ともいうべきものと同一視している」⑸

結局モダニズムの本質とはその芸術が他の芸術と分かち合えない特質な部分に目を向けてその芸術のみでしか成立できない表現を追求することによって(絵画なら平面性、建築なら空間性、写真なら現実の再現性)その芸術内での固有性を突き詰めていく姿勢といえるでしょう。

最後にもう一度クレメントグリーンバーグのモダニズムの本質について
記述を引用してみたいと思います。

モダニズムの本質は、ある規律そのものを批判するために ── それを破壊するためにではなく、その権能の及ぶ領域内で、それをより強固に確立するために── その規律に独自の方法を用いることにある。⑵

このモダニズムの運動はそれぞれの分野内で純粋芸術を目指す考え方なので、行き詰まりを迎えてモダニズムを批判する運動として多様性を許容するポストモダンの時代へと変化していくのでした。

参考文献:

・グリーンバーグ批評選集
・モダニズムの起源 ⑴48p ⑷ 56p 57p
・モダニズムの絵画 ⑵62p ⑶65p ⑸p62
HIROSHI SUGIMOTO
・光のプロジェクト 写真、モダニズムを超えて ⑺ 165p