前回は土壁の素材として、大まかに分けて 土・藁・砂
と三種類に分かれる事を説明しました。
今回はその土壁の最も重要な材料として
粘土質な土
について日本の文化的な面と土壁をDIYする際の調達する方法を記してみたいと思います。
1 日本の地域からみる粘土質な土
土壁に使われる土は、土だからってなんでもいいわけではなく
粘土質な土が好まれます。
難しく考えずとも、水に練り合わせたら泥団子が
できるような土です。
そしてこの粘土質な土も土壁の土台に使われる荒土、
仕上げに使われる色土によって使われる土が異なってきます。
ちょうど関西地域においては粘土質な土が豊富に採れるので、
仕上げに使われる色土では
…
中塗り土では、
梨目土、粉土などが有名で
使われる土だけでもこんなに多くの呼び名があることに驚きです。
一方で関東地方では関東ロームにおける火山活動の影響により西より粘土質な土が採れづらい環境にあります。
その中でも荒川沿岸で採られる荒木田土が有名で
両国国技館の相撲の土俵にも使われる
色土では根岸土と云うのが良く関東の茶室などに重宝されたようです。
このような地域的背景から関東では上塗り仕上げが漆喰、関西では色土による土壁が多いなど現代の住宅にも多く影響がみてとれるようです。
この粘土質な土と云うのは、土壁以外にも陶器や昔の瓦を焼くのにも使われるので、
古窯や焼き物が瀬戸以南で盛んである事や
屋根瓦の固定に土を用いたりと、土ひとつとっても
日本の文化に多大な影響を及ぼしていると考えられます。
2 DIYする場合の粘土質な土の手に入れかた
上記の通りに粘土質な土はその地域の近くで採れる土を使うのが、一番の理想ですが、現代において好き勝手に使える土を近くで手に入れることは、なかなか難しくここではネットを通じて土壁に使える土を手に入るものを少し紹介していきたいと思います。
淡路土の 中塗り土 18kg
量とコスパを考えれば、こちらがオススメです。
中塗り土は土台の荒壁の上から塗られて強度と表面を整えるために仕上げの前に塗られる土ですが、
中塗り仕上げと呼ばれる色土を使わずにこのまま壁が仕上げられる方法もあります。
千利休が作ったとされる国宝茶室である待庵などはあえて中塗り仕上げで荒々しく、大きめな藁を散らせた意匠を狙った土壁と呼ばれてます。
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少しだけ割高になりますが、同じ淡路土の色土ではこちらから。
荒木田土も一応粘土質な土ではありますが土壁に使えるかは未確認。
今回は上塗りだけをするので、さほどですが竹小舞の荒土から左官すると相当量の土が必要になります。
山土、川土が自由に豊富に採れる環境であるなら、やはり地域の土を使うのが一番ですが、なかなか現代はそんなうまく手に入りません。
そんな時はネットを使っても祈雨的にあった土を手に入れるのも一つの手でしょう。